
COLUMN
ヘルシンキ市立美術館(HAM)からのメッセージ
本展の開催に際し、企画協力をいただいたフィンランドのヘルシンキ市立美術館(HAM)からメッセージが届きました。同館で2024年10月から2025年4月まで開催された「トーベ・ヤンソンーパラダイス」展の会場風景も一部紹介します。

ヘルシンキ市立美術館 館長
アルヤ・ミッレル(Arja Miller)氏からの
メッセージ
トーベ・ヤンソンは当時の常識や期待にひるむことなく、自分自身と夢に忠実でした。私たちは、トーベの残した遺産を美術館のアイデンティティの礎と考えています。HAMは、アートの体験的な力を信じる冒険的な美術館であり、公共施設のために描かれた作品は私たちの活動において非常に特別な役割を果たしています。トーベ・ヤンソン・エステートやムーミンキャラクターズ社と協力しながら、私たちはトーベの芸術性と、現代の鑑賞者にとっての彼女の作品の意義ついて、これまで以上に深く掘り下げていきます。トーベのすばらしい芸術が、日本の観客に多くの喜び、美しさ、そして新たな洞察をもたらすことを願ってやみません。トーベとムーミンたちが日本各地の会場を巡回することをとても楽しみにしています。

ヘルシンキ市立美術館 キュレーター
ヘリ・ハルニ(Heli Harni)氏からの
メッセージ
トーベ・ヤンソンはフィンランドで最も愛されているアーティストの一人です。しかしムーミンへ関心が集中するあまり、彼女の芸術上のキャリアの全体像が見えづらくなっていました。ムーミンが商業的に成功したことによってトーベは有名になりましたが、実際には、挿絵、絵画、公共施設の壁画など多方面で活躍しました。これまであまり知られていなかった作品の展示を通して彼女の才能の奥深さを明らかにします。本展は、輝かしい存在でありながらも見過ごされてきた女性アーティストというコンテクストのなかで、彼女の功績に焦点を当てていきます。
「ムーミン」小説出版80周年を記念して、HAMはトーベの公共施設の壁画などに焦点をあてた大規模な展覧会「トーベ・ヤンソンーパラダイス」展(2024年10月~2025年4月)を開催し、人気を博しました。ヘリ・ハルニ氏の綿密な調査に基づく成果の一部を、本展でもご紹介します。






HAM で開催した「トーベ・ヤンソンーパラダイス」展の
会場風景
© Moomin Characters Oy Ltd. Photo © HAM / Maija Toivanen
© Tove Jansson Estate. Photo © HAM / Maija Toivanen